2012年8月17日金曜日

マイルストーン1を追いかける

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GoogleのDart開発者たちは、マイルストーン1という区切りへ向けて開発を進めています。Dart EditorやEclipse用Dartプラグインのような開発環境や、Dart VMやdart2jsのような言語環境は日々更新されており、そしてDart言語仕様についても変更が予定されています。

言語仕様についてはBugs and Feature Requestsメーリングリストで議論されており、マイルストーン1に向けての大きなトピックがMilestone 1 Language Changesという文書でまとめて公開されています。

ただしマイルストーン1の内容がすべて固まっているわけではなく、2012年8月17日現在で公開されている言語仕様は0.10ですが、マイルストーン1の内容は含んでいません。近いうちに0.11が公開されることになっていて、その内容はほぼマイルストーン1の仕様を反映したものになるようです。

特にcode.google.comに公開されているBugs and Feature RequestsのページではDartのバグや要求がIssuesとして公開されており、これを見るとプロジェクトの進み具合がなんとなく分かります。マイルストーン1に向けたIssuesはhttp://code.google.com/p/dart/issues/list?can=2&q=milestone=M1というURLで確認できます。

また、この内容をChromeのボタンで監視できるサードパーティー製のエクステンションがDart Milestone 1 monitorという名前で公開されており、これをインストールするとChromeでIssuesの数を見ることができます。まだ300個前後を行き来していますので収束するにはしばらくかかりそうですが、なんとなく見ているのも面白いと思います。

英語の得意な方は、Dart開発者のビデオキャストやポッドキャストDartisansをチェックするのもよいでしょう。

XMLHttpRequestがHttpRequestになります

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XMLHttpRequest といえば、スクリプト内からサーバーへデータを要求するためによく使われる手段の一つですが、名前に反してデータの形式はXMLに限られているわけではありません。もちろんXMLもよく使われる形式ですが、最近はどちらかというとJSONの方が多くなっています。

というわけで、Dartの XMLHttpRequest は HttpRequest に名前を変えようという話になっているようです(Issue 912 - Rename "XMLHttpRequest" -> "HttpRequest" in dart:html)。今後どこかのタイミングで変更されることになりそうですが、変更されると今までのスクリプトを対応させる必要がありますので、覚えておくとよいでしょう。

2012年8月14日火曜日

Eclipse用Dartプラグインを試す

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Eclipse用のDartプラグインがプレビューとして公開されました。

Dartの開発環境としてはEclipseベースのDart Editorがありましたが、プラグインではなく単体のアプリケーションという形で配布されていました。それに対してコミュニティーから多くの要望があったためか、今回Eclipseプラグインが公開されました。

現時点ではプレビューという扱いになっていますので、普段利用している環境へはインストールしないほうが良いでしょう。とはいえ、Eclipseの豊富なプラグインが使えるのは魅力的ですので、今後に期待したいところです。

アップデート サイトはこちらです。 http://www.dartlang.org/eclipse/update/

以下、実際にUbuntuでEclipseとDartプラグインをインストールしてみます。WindowsやMac OSでも同じようにインストールできるはずです。

まずはEclipseをインストールします。Eclipseの動作に必要なJavaランタイムをインストールしましょう。Eclipseは Eclipse Downloads からダウンロードできます。



現時点(2012/8/14)での最新版はEclipse Juno(4.2)です。ダウンロードしたファイルを展開し、Eclipseを実行しましょう。


Eclipseのメインメニューから Window - Preferences を選びます。


Install/Update - Available Software Site を選び、アップデート サイトを登録します。Nameは「Dart plugin for Eclipse」、Locationは「http://www.dartlang.org/eclipse/update/」にしましょう。


次に、Eclipseのメイン画面に戻って、メニューの Help - Install New Software... を選びます。


Installウィンドウの Work with: で、先ほど登録したアップデート サイトを選びます。すると画面の下部にDart Editorが現れますので、選択して次へ進みます。


インストールが済むと再起動の確認が表示されますので、Yes を押して再起動します。


Eclipseが再起動すると、自動的にDart SDKのダウンロードが始まります。画面右下に進捗が表示されます。


Dart SDKのダウンロードが終わったら、もう一度Eclipseを再起動させたほうが良いようです。それが済めばプラグインのインストールは完了です。

まず、設定画面を開いてみましょう。メニューの Window - Preferences の画面から、Dart を選択します。


設定項目はDart Editorとほぼ同じです。ただしSDKという項目が増えており、ここでDart SDKの更新が行えるようです。Dartプラグインをインストールすれば、別途Dart SDKをダウンロードする必要はありません。


Dart用のパースペクティブも用意されています。


新規プロジェクトにもDartが追加されます。


Dart Editorで使えるリファクタリングやデバッグの機能も使えますし、もちろんEclipseの他の機能やプラグインも使えます。

短い時間ですが試してみた限りでも、いくつかよくわからない動作をする点も見られますが、やはりEclipse上で使えるという利点は大きいと思います。Eclipseに慣れている人であれば、Dart Editorよりもこちらを使ったほうが良さそうです。